桜鍋と馬喰町と気持ちの良い空気と
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桜鍋
江東区の、とある専門店で、桜鍋をいただきました。
桜鍋は、馬肉のお鍋。
馬肉がきれいな桜色をしていることから桜鍋というらしい。
また、昔、青森の一部で食べられていた鍋とのこと。
少し生っぽいくらいでいただくと、その色はまさに桜の色。
柔らかくさっぱり、でもどこか甘く、おいしい。
桜鍋とはよく名付けたもの。
言葉ってやっぱり大事。
さらに、創業明治30年という長い歴史をもつ、風情あるお店の木造建築や内装、それに食器。
まるで、四国の道後温泉にワープしたように、全てが旧式に極まっている。
落ち着く。非常に落ち着く。
それに併せて、今日のお天気。
暑すぎもせず、寒すぎもせず、ちょうどよい涼しさと、風。
その道後温泉、、、ではなく、桜鍋専門店、は、窓を開け放しにしておいてくれていて。
どんなお天気に人が出会うかというのは、ある意味偶然的なものだけれど。
最近味わい忘れていた至福。
感謝です。
こういう時間と感覚を大事にしたいなと思いました。
ともすれば、日々はぎすぎすした忙しさと疲れと精神の不安定で過ぎて行ってしまうので。
今日みたいな美しい時間と空気と感覚、
それと、
抱えている実際的な問題の解決や自分のキャリア構築をできるだけ楽しく進めること、
その両方を併せて相乗効果に変えて、日々を過ごすこと。
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馬喰町
徒歩での帰路にて、馬肉をいただいた後に何の因果か「馬喰町」「馬車通り」など馬に関わる地名に多数遭遇。
帰宅後調べてみると
「馬喰町:
馬喰町の由来はその名の通り、徳川家康が関ヶ原出陣の際、馬工郎(馬喰)高木源五兵衛に命じて厩舎を作らせ、数百頭の馬を飼うために、配下の馬喰(馬の売買をする人たち)を住ませたこと、また馬の売買の市が多く存在したことによる」
というようなことらしい。
江戸時代、馬があの辺りで食にも戦にも武芸にも移動手段としても活躍していたんだなと思いを馳せるだけ。
それだけでも、旧式な日本を想像できて、現代を見つめ直す感覚がもてる。
思いを馳せるだけなら、無料(ただ)ですので。
現代を見つめ直す「感覚」だけなら、実際的には無力ですが。
いずれにせよ、昔の面影を残してくれるあらゆる地名には敬意を示したい気持ち。
にしても、現代の東京の街中で見かける動物なんて、犬や猫など愛玩用のものだけ。
「愛玩」って、なんとなく時代として寂しい気がするのはわたしだけでしょうか。
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気持ちの良い空気
その帰路に、歩いて渡ったいくつかの橋の上は、
すーすー吹く風と川の匂いとで、
暖かで気持ちの良い空気が流れていた。
梅雨イメージの定着している6月も捨てたものじゃない。
そして
「論理」だけにとらわれていた最近のわたしだけれど、
「感覚」も捨てたものじゃない。
というか捨てるべきものじゃ全然ない。